2012年6月4日月曜日

A Little Something To Say From California:ライフスタイル


木曜日の夜から日曜にかけて、北カリフォルニアに出かけてきた。
サンフランシスコとサクラメントの中間辺りにある、小さな町。

飛行機で行ってもよかったんだけど...
荷物をトランクに放り込んで行けるし、寄り道が好きなこともあって、往復1,400kmを車で行っちゃった。^^

とはいっても今回は撮影旅行ではなくて...

先日亡くなった、Jの叔母であるNさんの葬儀に参列するためだった。

3週間ほど前、Nさんはキッチンの床で倒れ、意識不明となる。
そして、そのまま昏睡状態に。
検査の結果、このまま目を覚ますこともなく、植物状態でしか生きられないといわれ、夫であるF氏(Jの叔父)が数日前に、人工呼吸器などのチューブを外す決意をした。

私はNさんと面識はなかったので、亡くなった彼女を偲んで泣くということはなかったが、
残された夫と息子のR君(13歳)のことを思うと胸が痛んだ。

二人はまだ十代の頃に出会ったそうだ。
F氏いわく「初めて出会ったとき、世の中で一番美しい生き物は彼女に違いないと思った」とかで、
Love at first sight...一目惚れだったのだそう。

そのまま交際したものの、まだ二人とも若かったこともあり、2年ほどで破局。
そのあとお互い別の相手を見つけて結婚したものの(彼女は2度も)、どちらも離婚に至る。

そして乳児を抱えたシングルマザーであったNさんとF氏が、再び一緒になったのが今から11年前。
血のつながりこそないものの、息子のR君もF氏の養子となり、3人でずっと一緒に暮らしてきた。

突然にして母親を亡くしたR君は、以前からJの親族の間では、頭のいい子として知られていた。
彼のことはJから何度か聞いたことがあったものの、私が実際に会うのは今回が初めてである。
そして、彼は評判どおりの「いかにも聡明な子」であった。


野球のバットを振ってから水疱を取得

13歳とは思えないほどの落ち着きを見せており、ほんの少し言葉を交わしただけで、ああ、この子は知能指数が高い、頭のいい子なのだろうなあ...というのが感じられる。
母親を亡くしたばかりで、まだまだ悲しみのどん底にいるに違いないのに、葬儀に参列するためにやってきた大人たちとしっかり言葉を交わしていた。

つい最近変声期を終えたということもあり、話をしていると、18歳くらい、しかも大人びた18歳くらいの男の子と会話しているような気になるほどのR君だが、実際にはまだ13歳。
まだまだ母親に甘えたかっただろうに...
そう思うと気の毒でならない。
ホントにホントにいい子なのだ。

母親のNさんが突然亡くなった後、R君は、これまで母親に反抗的な態度を取ってしまったことがあることを悔やみ、もっと優しくしてやればよかったのに...という思いから自分を責めてしまいそうになるので、そのことで現在はカウンセリングを受けているのだそう...

優しい子なのだ。

私とJは思った。
R君を、ヨセミテやザイオン、デスバレーなどの国立公園に連れていってあげられたらどんなにいいだろう。
育ての父であるF氏によると、R君は、まだまだそういった場所は見たことがないのだそうだ。

去年、両親と一緒に、Jの姉に母親、長兄一家が住むミズーリ州を訪れ、湖で釣りをしたことがとても楽しかったというし、アウトドアには興味があるようである。
美しいものを見るということは心の治癒になるし、そうすることで少しでも悲しみを緩和する手助けができたら...と思ったのだ。

地平線から昇ってくる輝く朝日や、太平洋に沈む真っ赤な夕日。
朝霧の中に姿を見せる鹿の親子や、砂漠に住むコヨーテに、海岸に寝そべるゾウアザラシの群れ。
そんな、素晴らしい光景を見せてやれたらどんなにいいだろう。

週末にちょこっと出向くにはちょっと遠い場所に住んでいるけれど...
きちっと計画すれば、一緒にそういう場所に行くことも不可能ではないかもしれない。

あとは、バンでもSUVでもレンタカーすればいいのだ。

何故って、Jのカムリでは車椅子が積み込めないから...


肉の肥満

R君は、家の外では車椅子生活である。
脊髄に障害を持って生まれたため、立ち上がることも、歩くこともできない。

家の中では、正座から両足を両側に崩した、上から見ると足がM字状になるように座った(割座〈わりざ〉というらしい)状態のまま、両手を使って結構自在に動き回る。
事故でそうなったのではなく、生まれたときからそうだったので、彼は彼なりに、下半身が動かない生活にある意味慣れてはいるのだ。

床にお尻をつけた状態から、ひょいっと上半身を持ち上げてそのままソファーに座ることもできるし、座ったまま今度は片足を手で持ち上げてもう一方の足の上に乗せ、「足を組む」状態にすることもできる。

組んだ足をブラブラしたり、足先を前後に動かしたりはできるようなので、どうやら両足が完全に麻痺しているというわけではないらしいが、リハビリ云々で回復するようなものではないので、一生車椅子の生活であろう。
(義足というオプションが将来あるのかどうかは不明)

自宅は2階建てで、当然家の中には階段がある。
どうやって階段をのぼるのかと思ったら、まず階段に背中を向けて座り、そのまま両手を使って上半身をピョコン、ピョコンと一段一段持ち上げていって...と書くといかにも時間がかかりそうではあるが、実際にはそうやってあっという間に2階の自分の部屋に行ってしまった。

電動式ではなく、昔ながらの、車輪についたリング状の部分を両手で回して動かす車椅子に乗っているのと、そうやって家の中では両手を使ってあちこち動き回っているために、13歳にしてはかなり強靭な、すでに大人のような腕を持っている。

Jの叔父たちは、そんな甥っ子に「オマエ、いい腕してるな~!アームレスリング(腕相撲)しようぜ!」と持ちかけていた。


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普通の学校に通い、車椅子利用者だけのボーリング大会で何度も優勝し、今は車椅子に乗った子供たちや、他の障害を持った子供たちらと一緒にバスケもするらしい。
わずか13歳ながら、自分は障害者だから...と悲観的になることもなく、障害を持って生まれてきた自分を淡々と受け止め、「チャレンジだ」といって、できる限りのことはなんでもやってみようとするその態度は、五体満足のくせに怠け者の私から見ると本当に頭が下がる。

今度一緒にキャンプ行こうよ...というと、R君は13歳らしい無邪気さを見せて「ウン!」と目を輝かせた。

けれど、現実を振り返った場合、かなり綿密に計画を立てる必要が出てくる。
R君はいくら普段からアクティブであろうとも、排泄時には介助が必要なので、私たちがR君を外に連れ出すとなると、その辺が一番のネックになるのは間違いない。
特にトイレでの介助となると、やっぱり父親であるF氏が一緒でないと不安だろうし...

また、後頭部に埋め込んだバイパスのようなものから定期的に、脊椎に溜まった水を抜く必要があるということで、この辺も小旅行中に必要にならないようにしなければならない。

まあ、要するに父親のF氏が一緒に行くことができさえすればいいのではあるが。
多忙なF氏ではあるらしいが、かなり前から計画を立てれば、なんとか実現できないものだろうか。

国立公園に車椅子で行けるのか?と思う人もいるかもしれないが、実はアメリカという国は、日本と比べると、あらゆる建物や場所が、車椅子で移動をする人が困らないように作られている。

たとえば数段の階段を登ったところに入り口のドアがあるような建物の場合、必ず車椅子用のなだらかな坂道がすぐ横にあるし、とにかく、よほど古い建物でもない限り、車椅子を利用している人が問題なくアクセスできるようになっているのが「普通」なのである。

街を走るバスさえも、車椅子ごと利用客が乗り込めるように、ボタン一つでドアのところの床部分がリフトとしてグィーンと上下するようになっていて、初めて見たときは感動さえ覚えたものだ。


日本だと、そこまで車椅子での客を想定して作られている場所というのはまだまだ少ないのではないだろうか。
そうなると当然、日本で車椅子に乗っている人は外出したくもなくなるだろう。
受け入れる側が用意周到なアメリカでは、一人であちこち出かける車椅子利用者は実に多い。

けれど、実際にR君のような車椅子利用者と一緒に外出すると...アメリカでもまだまだ不便な場所があるものだなあ...と実感する。
たとえば、ショッピングモールに行って車を停め、店に入ろうとするとき...
店のドアがある部分と、道路の部分の間にある、ほんの10センチのコンクリートの段差。

普段の私たちはそんな段差はほとんど無意識に越えているのに、車椅子だと専用の入り口、つまり、まずは段差ではなく傾斜があるところを探す必要が出てくる。
一緒にいる人たちがそんな段差をひょいっと飛び越えてしまっても、R君はやや遠回りをする羽目になる。

まだまだアメリカも改善の余地があるのかもしれない。

R君には、障害なんて何のその...で、世界のいろんなものを見て欲しい。
母親を亡くした辛さを乗り越えて、頑張って欲しい。
障害を本当の意味での障害にしてしまうか、させないかは、彼自身と、周囲の頑張り次第だと思うから。

そして、頭のいいR君のことだから、もっともっと勉強して、いつかは「車椅子の物理学者」として知られる、
ホーキング博士のようになってしまう可能性がないともいえない?!

私もJも、優秀な彼の将来を今から楽しみにしている。

※本日の写真は、R君の愛猫「バニラ」くん(5歳)。
すっごくデブいデッカいのだ!なんと体重は9.5kg!^^;
横広がりの顔がたまりませ~ん♪ (笑)
あまりのデカさをなんとか表したくて...近くにあったボールペンを横に置いてみました。
いや~、うちのみいちゃんと、このバニラくんを隣り合わせて写真を撮ってみたいわ~。(笑)


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